2023年10月20日(金)~22日(日)の『秋の関西ちょこっとツアー』のご報告です。
今回はその前編として、先ずは、10月20日(金)に「Music Live & Cafe Bar Pick」さんで開催された『SPARKLING FRIDAY NIGHT Vol.40』でのライヴ、こちらからご報告させてもらいます。
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《1.“ちょこっと”ではあるけれど》
これまで、ライヴ・ツアーと称して動く場合には、短い期間でも10日~2週間くらいをかけてあちらこちらへと巡りながら各地でライヴをさせてもらっていたわけで…。
が、“コロナ渦”のこれと併せてここ3年くらいは高齢となった母を見守りながらの生活でもあって、長時間・長期間に渡って家を空けるわけにもいかなくなって…。
ところが、こうしている間に、私の音楽活動・ライヴ活動を応援・支えてくださっていた人たちのなかには、二度とお会いできない、といった状況になられた方もいらして、ぅん~、このことが何とも悔しくて残念で…。
それで、どうにかしてライヴ活動を再開させたいなぁ、と考えていたのだよね。
そんな折り、今年の年明け早々、こんどは私自身が体調を崩してしまって(激しいめまい)、病院での検査やらが繰り返される間はボイトレを含めて歌うことを止められて何もできず。
(*「ボイトレ」とはボイストレーニングのことです)
練習再開は5月に入ってからになった。
ただ、少しだけラッキーだったのは、練習を再開するそのタイミングで、ボイトレを、フースラー・メソッドとゴルジャ・メソッドを併用して行う方法を知れたことだった。この方法を実践してみたところ、自身で思っていたよりも早くに声(声帯の状態)が回復した。6月中旬頃には曲練習も加えてできるようになった。8月上旬頃には、いつでもライヴできますよ、といったところまでに。
その8月上旬頃からだ。数日間でも動けるときに動こう、と考えはじめたのは。
もちろん、母の様子も見つつ、また自身の体調も確かめながらね。
9月に入ると、群馬に住む妹が「10月になれば数日の間なら帰れそうだよ」との連絡をくれた。昨年の11月の横浜・白楽でのライヴ・イベントのときもそうだったのだけれど、妹に母を見ていてもらう、そういった目処が立った。
こうした条件がようやく整って、『秋の関西ちょこっとツアー』は実現に至った。
「ちょこっと」という表現を用いて称してはいるけれど、現在の私にとっては、数日間とは言え、この間に4年ほど溜め込んだ色んな思いを凝縮させて臨む、たいへん貴重な機会で、とても大切なライヴ・ツアーでもあった、のだな。
《2.前日入り、早速カラオケ店へ》
先ずは、10月20日(金)、「Music Live & Cafe Bar Pick」さんでのライヴだ。
『SPARKLING FRIDAY NIGHT Vol.40』という、吉浦隆司が主催するライヴのそこに寄せてもらうことになった。
吉浦隆司なる人物が何者であるかは、このブログを以前より度々お読みいただいている方ならご承知かと思うけれど、あらためて紹介すると、私の古き友人であり、イイ加減な奴であり、私の命の恩人でもある、そういった人だ。
ところで、自宅(東京)から奈良への移動は前日のうちにした。
先にも記した通り、これまでツアーでは東京から関西方面までを一度に移動することは滅多になかった。
今回は長い距離を一度に移動する。途中で何か不足の事態が起こった場合にはライヴに穴を空けてしまうことにもなりかねない。
で、前日のうちに移動することにした。
午後4時少し前、JR奈良駅に到着。
早速向かったのは、JR奈良駅から直ぐの三条通沿いに在るカラオケ店(ジャン○ラ)。…この斜向かいに「Pick」さんも在るのだけれどね。
カラオケ店に寄って予約。午後6時~8時までの2時間を予約した。
主にはボイトレのため。ボイトレは5部に分けて間に5~7分の休憩を挟みながら全体通して約1時間行う。その後30分ほど休憩を摂ってから少しだけ曲練習を行う。
カラオケ店で予約済ませて、宿へと向かった。
《3.この心地好さは奈良の地域柄・人柄?》
「Pick」さんへは4年振り3回目。といっても、オーナーさんが換わってからは初めまして、となる。それでなのか、やや緊張していたのかなぁ? 直接「Pick」へと向かう選択肢は初めから無く、早めの午後3時頃からしばらくは三条通をぷらぷらと散策。
昼間にあらためて辺りを見渡すと、通りには外国から観光で来られたであろう人たちが大多数で、次いでは、修学旅行であるのか社会科見学等であるかの中学生・高校生たち。つまりは、コロナ渦前とあまり変わらない状況になってきた、ということなのだろうね。
こんな具合にのんびりと30分くらい散策を続けていたのだけれど、どうも空模様が怪しくなってきた。風も違ってきた。
散策もそこそこにJR奈良駅のある方向へと急いだ。目的地は、JR奈良駅近くに在る観光案内所と併設されている「スター○ックス」だ。どうしても一杯ホットコーヒーが飲みたくなってしまった、というのもあって。
正解だ。
「スター○ックス」に着いて間もなく雨が降り出した。風も少し強そう。空気も急に冷え込んできた。
ま、丁度よかったのだ。キャリーケースを引きずりながらギター・ケースを背負い、もう一つバッグを肩から掛けて歩いていては、ゆっくりではあっても30分くらいの散策のその程度で終えるのがいい具合のところだったのだ。
で、ここの「スター○ックス」も4年振り3回目。
余談であるけれど…、日本全国のあちらこちらにも「「スター○ックス」なる店は在るのだけれど、私の個人的な感想として恐縮ながら申し上げるならば、私の知る限りの範囲(各地15店舗くらいだけど)では、ここの店員さんたちの接客対応が一番心地好く感じる。上手く表現できないけれど、温かく、柔らかい、のだよ。それがマニュアル通り的ではなく、とても自然に現れている感じがするのだ。そう言えば、カラオケ店(ジャン○ラ)の店員さんたちも他店とは何か別の、とても良い(好い)感じで、温かく、柔らかい印象をもった。もしかすると、奈良市周辺の、この辺りの地域柄・人柄?の一つかも知れない…。あくまでも、私個人の感想・感覚だ。
午後5時。雨が止んでいる。一時的ではありそうだけれども。
昨日と同じカラオケ店へ向かう。「スター○ックス」からは歩いて3分ほどだ。
この日、カラオケ店ではボイトレのみを行った。
午後6時20分。そろそろ「Pick」へ、と思って外に出ると、雨が少しだけ降っている。
カラオケ店からは三条通を斜向かいに渡るだけだ。傘を差すまでもない。
《4.新オーナーさんにご挨拶》
「Pick」へ到着。
「Pick」の出入口まで来ると、早速、新オーナーさんとライヴ運営兼広報・宣伝担当の方(Marinaさん)が出迎えてくれた。
互いに「初めまして」の挨拶を交わしていると、店の奥の方から「よぉ!」と声を掛けられた。吉浦隆司だ。
到着してから、他の出演者の名や、出演順や出演時間を聞かされる。とまぁこんなことは吉浦隆司のこの企画くらいだろう。アハハハハ・・・。
店内は、前オーナーさんのときと然程変わっていなかった。幾らかばかりか前オーナーの匂いが未だ残っている気さえしてくる。が、細かなところに新しく手が加えられ、訪れる人にとって利用しやすいように施されてもいた。
前オーナーさんは、ご病気でここ「Pick」を手放さざるを得なくなった(一度は、「Pick」という店も完全に閉じられる話になっていた)。私は昨年12月にSNS上でこのことを知った。私が前オーナーの前でライヴを披露したのは4年前の10月と5年前8月の、その2回きりとなった。
ところがだよ、SNS上では「Pick」でライヴをしているふうな記事がその後も表われ続けているではないか。えっ?と思って様々記事を辿っていったところ、オーナーが換わって、「Pick」はその場所に現在も在る、というわけなのだな。
ならば、「Pick」という場所で歌い奏でる、せめてそれだけでもしておきたいと思った。10月ならば、吉浦隆司の誕生月でもあるし。これ以上の詳細は省くけれど、そんなことで以て、この日のライヴを迎えたのだ。
それにしても、新オーナーさんが現われたからこそで、有り難い、本当に有り難い。
《5.ライヴ本番、ただただ楽しい》
で、この日の出演者および出演順は次の通り。
1.籏野ヒロキさん
2.愛間純人
3.たけ吉さん
4.Mirey & Gucciさん
5.吉浦隆司さん
(*一組約30分のライヴ)
午後7時、ほぼ時間通りにスタート。
と思ったら、1番手の籏野ヒロキさんのギターがスピーカーから鳴って聞こえてこない。
最近になって新しく買ったギターなのだそうだ。
私のギターと似たタイプのギターだ。きっと、お店のシールド(ギター本体と音響機器を繋ぐもの)が合わないのだろう。
やはり、そうだった。別のシールドに取り替えたらちゃんと鳴った。
さぁ、あらためて、この日のライヴの1番手、籏野ヒロキさん。
6分ほど遅れてスタート。それでも時間通りに終わらせようと、時間を気にしながらライヴを進行する籏野さん。律儀な人だ。
総じて、優しく、爽やかな感じの歌とギターの演奏。加えて、お付き合いされている彼女への愛を歌うなどもあって、楽しくも面白くもあり…、な感じ。スピッツの大々ファンであるらしい。途中、スピッツの楽曲とライヴについて熱く語っていらした。
2番手は、私。
いつものことだけれど、オリジナル曲ばかりを披露。
この日は、「心にある足」、「ねじれの位置」、「桜、夢色」、「やさしい雨」の4曲。
私のライヴはトークもやや多めなので、時間内に終えるなら3曲と考えていたのだけれど。併せて、籏野ヒロキさんもあれほど時間を気にしながら進行されていたので。
ところが、主催者とお店の、優しくも、たいへん有り難いご許可をいただき、4曲を歌とギターとで奏でさせてもらった。感謝、感謝。
ライヴを進行させながら、自身の奥底の何処かが自然と喜びで満ちてきている感じがした。こういうときは、聴いてくれている側がの聴き方が上手なのだよね。熱心に聴き入って、こちらが奏でる音を丁寧に拾い集めてくれようとしている。だから、なのだ。ホント有り難い。
3番手は、たけ吉さん。
この日は、「踏み外した者たち」がテーマ。
ご自身の周囲にいる人たちのこと、身近なところで起こっていること、これらを題材に、特に今回は「踏み外した者たち」のその代わりとなって歌いギターを奏でる、といったライヴを披露してくれた。
どんな事柄も歌詞にしてしまうその凄さは、ある種の迫力さえ感じられた。それでも、どことなく温かい(あったかい)目線でこれら物事を捉えていらっしゃるようにも思えた。
勝手ながら、私なりに面白みをもって聴かせてもらった。
4番手は、Mirey & Gucciさん
Mireyさんがヴォーカルと二胡を担当。 Gucciさんがギターを担当。
映画「もののけ姫」の挿入曲から始まり、「テネシー・ワルツ」や「五番街のマリーへ」などのカバー曲を挟みながら、オリジナル曲も披露してくれた。オリジナル曲は Gucciさん創作の曲。
二胡の演奏を聴く機会はなかなか無い。私はこの日が3度目くらいかな。
Mireyさんの二胡も心地好い音色の演奏だった。
それと、Mireyさんのヴォーカルについては、温かみのある声質に伸びやかさもあって、また時折は力強さもあって、と取り敢えずここには記しておく。が、私の記したこれは精確に言い表しきれてはいないよ。
Gucciさんのギターはジャズ的なコードを多用しながら柔らかなタッチでつま弾かれていく。これがMireyさんの二胡とも歌声ともたいへん合っていて、上手い具合にブレンドされているなぁ、と感じた。
お二人の息の合った演奏を聴かせてもらった。
5番手は、吉浦隆司さん。
彼の真意の詰まったオリジナル曲と、ただただ皆と楽しみたいだけのオリジナル曲と、これらを中心に据えながらも、忌野清志郎の「雑踏」を独自のアレンジでカバーして聴かせてもくれて。この日もパワフルな歌声とギターのステージを披露してくれた。
実は、時間が押しているなかで彼は最後に登場した。私を含めて他の出演者に時間を許して与えていたために彼自身の演奏時間がやや少なくなってしまったのだ。それなのに、彼自身自らがライヴ進行中に阪神対広島の試合の様子を客席に聞くなどして余計に演奏時間を減らしてしまっているのだから、ま、恐れ入るよね。
どのような状況に置かれても、この日のライヴはこの日のライヴとして、この日の自身のままにエネルギーを使い切って完全に終える。これが吉浦隆司の流儀なのだろうね。
彼のライヴが終わる間際だった。阪神対広島の試合結果が情報として入ってきた。
この日は、彼が主催する『SPARKLING FRIDAY NIGHT』が40回目の節目を迎えた日で、彼の誕生日の10日前となる日で、そして彼が推す阪神が日本シリーズへと進出を決めた日となった。
おめでとう、吉浦隆司。
2023年10月20日(金)、「Music Live & Cafe Bar Pick」でのライヴは、何やら不思議なくらい、ただただ楽しくて居られる、そんなライヴの一夜となった。
この機会を与えてくれた人たちとここに至るまでの全ての物事に感謝。
この日、「Pick」という場所で居合わせた皆様に感謝。
「Pick」と吉浦隆司に感謝。
さて、この翌日の21日(土)は、一旦、京都へと向かうことになった。
再会を果たしておきたい人がいて、その人からも、近くに来たら必ず寄るように、と言われていてね。
JR奈良駅を11時半過ぎに出発するJRみやこ路・快速に乗った。
(*後編へと続く)
*写真は、「Pick」のMarinaさんと同日出演者の籏野ヒロキさんに撮っていただきました。
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